飲食店の売り上げ 予想と実績例 その1

会社

飲食店を新たに始める人の多くは元サラリーマンです。サラリーマンはもちろん会社から給料をもらって生活しています。その給料には給料支払いのもととなる収入があって初めて給料が支払われます。

飲食店といえども実は仕組みはまったく同じで収入があって初めて給料が支払われるのであってサラリーマンをやめたからと言ってその仕組みから逃れられるわけではありません。まず、この点をしっかし認識しなければなりません。飲食店というものは一端営業を始めてしまうと営業を停止するまで同じ場所で営業を続けなければなりません。今日は調子が悪いからちょっと違うところへ行ってみようということができないのです。その上、食材を用意したとしても必ずしもお客様が予定通りくるとは限りません。あまった食材は翌日に回すかロスになるか、ということになります。新鮮な食材を使いたいという気持ちはだれにでもありますが前日の食材の残り、前々日の食材の残り、こういった材料と上手に付き合っていかなくてはならないのです。

さて、これからお見せする画像は完全に社外秘としていた資料です。とある店舗の売り上げと消耗品や人件費をまとめたものです。場所は中洲。実店舗の資料となります。このお店は10年ほど前他店に売却され現在は別の経営となっているようです。この度、お客様の了解を得ることができましたので特定されない範囲でご紹介します。

皆さんの飲食店経営の参考にしてください。

場所:福岡県中洲 地下一階
形態:活魚居酒屋
席数:155席
想定客単価:3500円
売り場面積:99.5坪

かなり大型の店舗ですが、大きかろうが小さかろうが考え方はあまり変わりません。大きければ大きいほど、初期投資や管理が大変になりますが当たったときのもうけも大きくなります。ハイリスクハイリターンではあります。

飲食店の売り上げには波があります。はっきり儲かるのは3月4月のいわゆる年度の切り替え時期と12月1月の忘年会新年会シーズンです。この季節をハイシーズンと呼びます。ですから飲食店を始めるなら2月オープンか11月オープンがよいといわれるのはこのためです。3月オープンや12月オープンの店がかなり目につきますが、できれば2週間でもハイシーズンの前にオープンさせた方が賢明です。理由は二つ。
1、店の告知をする期間となる。
2、店の運営の訓練期間となる。
からです。ハイシーズンでいきなりずっこけるとその後お客様は二度と来店してくれなくなります。

では、可もなく不可もない7月の売り上げとその内訳を大公開します。

細かい部分を見ていきましょう。

表は実績と計画とに分かれています。実績を見ていきます。

この月の売り上げは1571万円。客単価は3820円となっています。想定客単価は3500円でしたから良い線を行っています。客単価を上げる方法というのがいくつかありますが、知りたい方はぜひご相談ください。

次に原価を見ていきましょう。

原価合計が457万円。原価率30.5%です。飲食店の原価は30%が一定のラインだと考えていいと思います。右側の方に料理原価率34.02% ドリンク原価率24.63%となっていますね。一般に料理は食材のロスなどがどうしてもありますから原価率が高くなり、ドリンクは低くなります。その上、ドリンクはロスがほとんどありません。ですからドリンク比率を上げること、これが商売の肝となることは容易に理解できると思います。最近は飲み放題のお店も増えています。飲み放題の場合はドリンク原価があがりますのでその分を料理原価でサポートする必要がでてきます。しかしながら、全員が全員のんべえばかりということはあまりありません。人間が飲めるお酒の量などたかが知れているものです。

支出の部を見ていきましょう。

支出とは、給与、水道光熱費、家賃、保険代その他日々の営業に必要な経費のことをいいます。この店の場合、給与が441万円。その他の合計が503万円となっています。

ここで注目すべきポイントはずばり「家賃」です。この店の家賃は195.2万円です。売り上げの12.5%を占めています。この賃料の比率が10%以内となることが本来望ましいのです。良い場所は当然賃料が高いもの。高い賃料を払うためにはその分おおきな売り上げが必要だということです。

この店舗の7月の収益はどうだったかというと

売上 1571万円
原価 -457万円
給与 -441万円
支出 -503万円

差し引き 96万円の黒字

となっています。

さて、それではいわゆるハイシーズン、ローシーズンはどうなるのか?見ていきましょう。

続きます。

飲食店経営、内装、その他のご相談はお気軽にお電話ください。豊富な経験をもとにアドバイスさせていただきます。

090-1844-9568 担当:徳永

相談無料です。