ワイヤレスノイズキャンセリングヘッドフォン BOSE QUIETCONFORT 35Ⅱ SONY WH-1000XM3 比較

雑感

モニタヘッドフォンのお次はお手軽ワイヤレスヘッドフォンです。先日、知り合いからBOSEのQC35を借りることができたので、「ままよ」ということでソニーのフラッグシップノイズキャンセリングヘッドフォンWH-1000XM3を男買い。というかふとのぞいてみたヤマダウェブコムで32000円(税別)で売られているのを発見。おお。これはむちゃくちゃ安いじゃないですか。下手したらメルカリより安いかも。驚き桃ノ木さんしょのき。ということで近所のヤマダ電機へGO。

到着して値段を確認したところアレレ40000円(税別)というごく一般的な価格になっていました。店員さんに携帯を見てもらって「御社のネット販売場では32000円になってまっせ」と聞いてみたら
「確認させてください。」
と奥へ猛ダッシュ。

数分後
「価格、合わせます。」
「合わせるっていうか、これ御社が出してる値段ですよ。」
「はあ、まあ、そう、ですねえ。」
となんか歯切れがわるい。が、値段は一緒にしてくれました。もし、購入をご検討されている方がいらっしゃったらヤマダウェブコムが一番安いかもしれません。ポイントもある程度たまっていたので結局30000円(税込み)で購入することができました。

で、さっそく開封。

白いほうがBOSE。黒がSONYです。一般的な価格はBOSEが税込み39960円。SONYが40820円と、ほとんどかわりません。いわゆるノイズキャンセリングヘッドフォンで一般的に手に入るものの中では最高峰といっていいかと思われます。

まず、BOSE QUIETCONFORT 35Ⅱからブルートゥース接続して、PLAYストアからBose Connectというアプリを入手してヘッドフォンを認識させます。BOSE QUIETCONFORT 35Ⅱは電源スイッチを入れた時点でノイズキャンセリングがオンになる仕様となっているため耳にかけて電源を入れるとすっとまわりのノイズが消えてしまいます。装着感はとても良いと思います。この手のヘッドフォンはどちらかというと遊びで使うことが多いので重すぎたり大きすぎたりすると邪魔になるだけです。ちょうどよい大きさ重さと言っていいかと思われます。

実はノイズキャンセリングヘッドフォンは三代目。初代のマクセルからすると雲泥の差といっていいノイズキャンセリング性能です。

BOSE QUIETCONFORT 35Ⅱの売りは「グーグルアシスタント」との連携ということなのでその機能を試してみます。ヘッドフォンの後ろにあるファンクションボタンを押しながら「今日の天気は?」などと小声で言ってみると
「今日の北九州市の気温は9度、天気は・・・」
などおなじみの音声が流れてきます。なるほど。

アプリのほうでいろいろいじってみましたが、あまり設定できる項目はないようです。

ちょっとむかつくのがノイズキャンセリングの強弱が3段階。それ以外のアンビエントの取り込み方とかオーディオの調整などがまったくできないところ。これは少し、あんまりじゃないでしょうか。ヘッドフォンの性能に絶対の自信があるからかどうかわかりませんがこのほかは何にもいじることができません。

では、ノイズキャンセリングの性能はどうかというと、これは大方の人が満足できるレベルだと思います。ノイズキャンセリングの段階は3段階。高、中、なし。と設定できます。携帯で音楽をかけてみます。良くも悪くもBOSEの音。驚くほど良くもないし、でも、悪いところもない。このメーカーの音はいつもこんな感じ。無理やりよく言えば特徴がない音って言えばいいんでしょうか。ノイズキャンセリングヘッドフォンは電気的にいじりまくった音が出ているので自然な音とは程遠いのですが、さすがに初代のマクセルのノイズキャンセリングヘッドフォンのように低音ががつんとブーストされているような不自然さはまったくありません。

試しにユーチューブをかけながら石油ファンヒータをつけてみます。ファンヒータの音はまったく聞こえません。人間の声が半分ぐらいになっている感じ。なかなかいいんじゃないでしょうか。これ以上ノイズキャンセリングが効くとちょっと危ないかもしれないぐらいの性能です。もともとノイズキャンセリングは高音部や人間の声のような無機的な音には弱いのでこれ以上の性能は出せないのでしょう。飛行機などに持ち込んだらとても快適だと思われます。優先でもつなげられるのですが飛行機用のアダプタがついていないのはとても残念です。

さて続いてSONY WH-1000XM3のレビューに移ります。

このヘッドフォンもさすがにソニーのブルートゥースノイズキャンセリングヘッドフォンのフラッグシップモデルだけあって高級感があります。BoseのQC35に比べると一回り大きな感じがします。このヘッドフォンにはボタンがたった二つしかありません。電源とグーグルアシスタントのボタンだけです。

実は、このSONY WH-1000XM3は右側のヘッドセットの側面がタッチパネルになっており、ヘッドセットの右側をなでたりタップしたりしてヘッドセットのボリュームや音楽の早送りなどができるようになっています。超未来的。そして特筆すべきは右側のヘッドセットを掌で覆うと一時的にノイズキャンセルがオフになる機能がついているところ。これは非常に便利です。というのは人間の声がわずかに聞こえるとはいえ作業をしていると気が付かないことがあるし、話をするにしても非常に聞き取りにくい。わざわざノイズキャンセルとオフにするためにアプリを立ち上げるのも面倒。ボタン操作でノイズキャンセルの強さの調節もできますがそんなことも面倒。こういう場合に一発でノイズが一時的に復活するという機能があるのはさすがソニーと言わざるを得ません。

SONY WH-1000XM3もアプリで設定をするようになっています。

こちらはBoseにはなかったイコライザや外音コントロール、音が聞こえる方向の変更、サラウンド環境などの調整ができるようになっています。どうせいったん電気的にいじった音が出てきているわけですからこういう機能がついているとうれしいですね。ソニーはこういう部分にとても魅力がある商品を作ってくれる会社だと思います。

さて、音楽を聴いてみます。ま、正直、なにもしないで聞いているとBoseもSONYもあんまり変わりがありません。とてもよくできたヘッドフォンだと思います。ただ、イコライジングができること、ノイズキャンセルの強さが無段階で調整できること人間の声だけをより分けてノイズキャンセルから外せることなど、機能はがぜんSONYに軍配が上がります。

ながながと比較してみましたが、同じ価格帯でこの二つを見せられると、うーん。BoseのQC35を選ぶ人がいるのか不安になってくるぐらいSONY WH-1000XM3のほうが魅力的です。

どちらも海外旅行や出張のときの仮眠をするときの耳栓かわりにはもってこいのヘッドセットですが普段楽しく使うにはSONY WH-1000XM3に軍配があがるでしょう。皆さんも販売店で手に取ってみたらいかがでしょうか。