アパートのピアノ室の防音

工事
SN3J0034

とあるアパートの4階でピアノ教室をしていらっしゃる方からの相談があり防音工事をしてきました。6畳ほどのピアノ室にグランドピアノが置いてあります。下の階から苦情が来たとのこと。まずはなにはともあれ遮音性能を測定します。そうしないと次になにをしたらいいのかわからないからです。スピーカーを持ち込んで110dB程度のピンクノイズを発生させ現状の遮音性能を測定します。

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話を伺うと以前リフォームをしたときにある程度の防音工事をお願いしたとのことでした。ですから、苦情が来たことにたいへん困惑している様子でした。下の階の方にお願いして上階で音を出して下階でも遮音性能を測定します。

測定結果として、下の階はおおよそ-40dB。つまりRCのスラブのみの遮音性能であることがわかりました。ピアノは強く引くと100dB程度の音が出ます。これでは下階でもはっきり音がわかるでしょう。

また、ピアノ室の隣の部屋(お客さんのリビング)との境の壁がなぜか「穴開き合板」で施工されていました。これ、注意が必要なのですが「穴開き合板」は「穴」があいていますので遮音性能はまったくありません。厳密に言えば多少はあるのでしょうがないと考えた方がいい。案の定、隣の部屋との遮音性能が極端に悪く20dBしかありませんでした。

今回は、とにもかくにも下階から苦情が出ないようにしてほしいとのこと。予算もなるべく安くお願いしたいとのことでしたから、床の遮音と穴開き合板部の補強に的を絞ることにしました。

カーペットをはいで、まず、96kgのグラスウールを25mmひいていきます。その上に混合部材で60mmの床版を浮かせて施工します。つまり、床の振動を下階に直接伝わらないようにしました。次に穴開き合板の上に石膏ボード12mmと9mmを二重張りします。予算の関係もあり仕上げはしませんでした。

工事は二日間で終了しました。最後に再度スピーカーを持ち込んで遮音検査。110dBでピンクノイズをだします。下の階ではピンクノイズは測定できませんでした。次にピアノを弾いてもらいました。かすかになんとなくピアノの音が分かる程度まで遮音性能があがっていました。おそらく-30dBぐらいは上がっているかと思われます。

それから半年ほどたちましたがその後苦情は来ていない様子です。ああよかった。6畳のピアノ室で施工代金は27万円(税別)かかりました。(ピアノ移動台などは別途)ピアノ室の防音工事もぜひご相談ください。