それでは、一言でいって「遮音」とはなんでしょうか。と大上段にかまえる必要はまったくなく「音をさえぎること」にほかなりません。よく下の図のようなものを見ることがあると思います。
上の図では、部屋の中の音源から「100dB」の音が出ています。それに対して、こっちの壁はDr-50ですよ、こっちのドアはDr-35ですよ、と言っているにすぎません。もし、音源からでている音が500Hzのみの音だった場合、dBの計算は単純な引き算ですから「Dr-50」のところは50dB音遮音され50dBの音が漏れる、「Dr-35」のところは35dB遮音され65dBの音が漏れています。
この場合の遮音性能を評価する場合に重要なのが「暗騒音」です。「暗騒音」とは「その場の音の量」のことをいいます。特別な音源がなくても普通に音のエネルギーは存在しています。一般に、静かな住宅地であれば、暗騒音レベルは通常40dB以下です。かなり騒がしい工場地帯などでは65dBを超えることもあります。
上の図の部屋が、もし静かな住宅地のなかにある一室だとしたらどうでしょうか。周辺の暗騒音レベルが40dB程度だとした場合、部屋の壁からは50dB、ドアからは65dBの音が漏れています。暗騒音レベルより大きな音は同然のことながらはっきり聞こえますので簡単に言うと「まる聞こえ」の状態です。これが、工場地帯や国道沿いの住宅で暗騒音が60dBを超えるような環境にあった場合は「ほとんど聞こえない」状態となります。
私たちあいはうすでは、「遮音とは周辺の暗騒音レベルと出したい音のレベルを上手に調和させること」であると考えています。